この「知っておきたい!技術系ベンチャー創業の勘所」というセミナーは、
サイエンスパークで、1ヶ月~2ヶ月に1回のペースで行なっている、ミニセミナーです。
新しい技術シーズを元に、技術系ベンチャー企業の創業を検討されている方や、
既存事業の他に、新しい事業の柱を作りたいと考えている技術系の中小企業に皆様に、
市場動向や経営のヒントなどを提供しています。

特徴としては、ベンチャー経営に携わったことがある、もしくは支援者が1時間の講演を行い、
その後に1時間、参加者が自由にディスカッションする時間を設けています。
ただ話を聞いて帰るだけではなく、多少のアウトプットをすることによって満足度が高まります。
第1回は、中部大学工学部の講師をお勤めになっている加藤 和彦氏(2011年10月より、名古屋産業大学准教授に就任)をお招きして、技術系ベンチャーの巣窟”シリコンバレー”のベンチャー創発プラットフォームを参考に、市場ニーズとのマッチングや「死の谷」「ダーウィンの海」をいかに乗り越えるか、またビジネスプランの意味・出口戦略とはについて実務とアカデミックの両目からお話しして頂きました。
第2回は、講師に株式会社環境エネルギー投資・マネージング・ディレクターの細谷賢由氏、株式会社環境エネルギー投資・ディレクター 小林孝宏氏 をお招きして、日本/シリコンバレーにおける「ベンチャー企業」の事例,「大手金融機関」「大手事業会社」における事業開発経験 「行政政策立案」への参画経験などを元にアライアンス、資金調達等のベンチャー企業の勘所を紹介頂きました。
以下、参加メモです。
—第1回———————————————————–
講演
①アントレプレナール・イントラプレナールとは
②技術系ベンチャーの巣窟“シリコンバレー”のベンチャー創発プラットフォーム
③市場ニーズとのマッチング(Mポーターの技術戦略プロセスをベースとして)
④技術経営(MOT)の役割(「死の谷」「ダーウィンの海」を乗り越えて)
⑤ビジネスプランの意味・出口戦略とは(ステークホルダーとのコミュニケーション媒体機能)
ディスカッション
①「死の谷」「ダーウィンの海」を乗り越えるには「資金」がもっとも重要ですが、エクイティ(株式)投資ならびに融資の資金供給の現状はどうでしょう。
②直近2年国内IPO数がかなり尐なくなっている状況でビジネスプラン・出口戦略はいかに設定されるのがよいでしょう。
③販路拡大の観点から技術シーズと市場ニーズの見極めはどのようにすべきでしょう。
—第2回———————————————————–
・ベンチャーに求められるもの 4つの条件
1.Technology
2.Alliance
3.Human Resource
4.Finance
1.Technology → コアテクノロジーを成長市場に転用
A色素増感型太陽電池 → デシカント空調 スーパー向け、データセンター向け
B液晶技術 → カラー電子ペーパー
C細胞分析 → LED照明名の蛍光材料・・・高いスペックが良いわけではない
2.Alliance → 課題解決のためにアライアンスを組む
Dブランド向上 太陽光発電マッチングサイト → PV不足 →価格.comと組む
E販売チャネル 省エネクーリングタワー → 人手不足 → 大手エネルギー会社
F共同開発 有機EL → 周辺技術の性能向上が課題 → 周辺技術会社紹介
G海外展開 スマホカメラモジュール 生産コストが課題 → 台湾メーカー紹介
3.Human Resource
(1)イメージできるか この人をヤル気にさせるのは金なのか権限なのか
(2)コミュニケーションとれるか あうんの呼吸は無い。意識的にコミュニケーションをとる
(3)魅力ある組織になっているか 将来を語れ。プロは「製品」「組織」「ビジョン」に惚れる。
(4)フィットしなかったときにすぐ切れるか 思い切りも必要。
4.資金調達
まず自分の会社をどうしていきたいのか?安定事業の構築?成長拡大?
1.安定事業の構築 ・・・ VCと付き合うべきでない。銀行取引を大切に。
2.成長拡大 ・・・ VCと会ってみましょう。3年~5年の事業計画を作成。
自社のエクイティストーリーを持とう
1.3~5年後の製品ラインナップをイメージしよう
2.その製品が受け入れられそうな市場をイメージしよう、価格を知ろう
3.上記から、3~5年の「売上」「利益」の水準をイメージし、数字に落としこむ
4.株主になってほしい人のイメージをしてみる。事業会社と資本提携も視野に入れる。
<これから儲かるビジネスとは>
<ディスカッション内容>
1.技術系ベンチャーは市場の重要性をもっと認識するべき
企業として成り立つポイントは「商用化に目処が立つか?」どのフェーズの壁に対しても「市場性」というキーワードが重要。そのため、マーケットリサーチに重点を置くべき。
2.技術と経営の分離[市場性の追求]
商用化=市場性に対するセンスが必要になる。技術研究に没頭しより良いものを作り上げることも重要な経営資源の為、市場性へのリサーチなどは得意者に任せることも必要かと考える。
3.技術と経営の分離[技術の商用化ヒント]
技術というのは外に出してみて初めて利用性に気づくことがある。様々な分野・業種へ自社が抱えている技術を出してみることで面白いヒントが生まれることがある。それが商用化のヒントになることがあるので、技術は外に表現するべき。
4.会社の成長なくして社員の幸せは無い
会社が成長しなければ従業員の待遇をよくすることはできない。あくまでも会社の成長が先で社員の幸せが次。従業員第一主義の企業についての質問の答え。
5.コンテンツ産業の今後の面白さについて
今後は利用シーン対してクラウド化などのITが進むにつれてコンテンツが重要になる。
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