情報を経営に生かすこととは

お金は企業の血液であり、情報は企業の神経であるという言葉を聞いたことがあります。

お金がなくなれば企業活動は停止し、情報活用が十分でなければ企業は機能不全になります。
特に、現代は経営環境がめまぐるしく変化していて、たくさんのサービスがあふれ、人々の嗜好が多様化しています。
このような状況下では、経営者は今よりも増して外部環境に五感を研ぎ澄ませて情報収集を行うことが求められています。
また、組織内部に対しては的確な指示伝達や情報共有によって、しっかりした戦略の実行と風通しの良い組織づくりが実現できます。
これらの活動にITという道具を駆使して、情報の量や質、時間的価値を高めていけば、経営により大きな力を与えることになるでしょう。

特に中小企業の強みは意思決定の早さ、フットワークの良さにありますから、判断と実行のスピードを高める情報化の効果は大きいはずです。

IT化の効用はこれだけではありません。
ITの進展は、ビジネスに”新しい方法”を次々と生み出しています。
例を挙げますと、インターネット販売は、中小企業にとって弱みだった企業の知名度や商圏、消費者との距離等を一気に克服する手段を提供しています。
SFAと呼ばれる営業支援システムは、今まで管理できないと考えられていた営業活動を管理し、その生産性を改善できる方法を編み出しています。
ハードやソフトの価格が下がり、性能が向上し、容量も大きくなったことから、いままでとても取り扱うことの出来なかった大量のデータを手軽に扱うことが出来るようになり、そしてまたそれらを分析する技術を無料で利用できるようになっています。
これにより中小企業においても、製造業では生産工程における品質データの保管・分析、小売店ではPOSデータを利用した消費者動向の特定等の場面で活用が進んできています。
IT端末の面では、直感的に操作できるスマートフォンやタブレット端末の普及により、これまでITが苦手でパソコンを触らなかった人も使ってみようかという気持ちになってきています。
これにより、現場に設置したのに全く使われていない問題児だったパソコンを、タブレットに置き換えたところ使われるようになってきたという事例も出てきています。

中小企業は経営革新を強く求められています。
中小企業の経営者の皆様は、日々どのように経営革新をしたらよいのか考えていることと思います。
企業のIT化は今までと違ったビジネスの手法を取り入れる、つまり「経営革新」の一手法になります。
もしもあなたの会社が積極的にIT化に取り組めば、まだまだ経営革新が可能です。

国内中小企業400万社がIT活用による経営革新に取り組んで、1%でも2%でもその経営力が向上したら、日本もまだまだ面白くなると思うのです。